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中野友加里応援ブログ Yukari Nakano Fan Blog Go, Yukarin!
COI仙台公演
Champions on Ice ジャパンツアー仙台公演、錚々たる出演者の中でも、中野友加里選手は大きく、そして輝いて見えました。



「信夫先生から連絡があって、9月15日~16日仙台のCOIに出ることになりました」
アメリカ滞在中だった選手にお知らせいただいたのが8月初めのこと、この思いがけないニュースからおよそ1ヶ月半で迎えたCOI仙台公演、中野選手は映画『ムーランルージュ』のストーリーを下敷きにしたオープニングとフィナーレの群舞、そして青い衣装によるMemoirs of a Geishaを披露しました。

荒川さんの『アベマリア』、ランビエールの『四季』の後、というすごい順番で第1部のトリを務めた中野選手、以前生で見たときと比べて、物理的距離は遠いにもかかわらず、この日の演技のほうが大きく見えました。「可愛い」というより「綺麗」。冒頭部分のイーグルをはじめ、ジャンプやスピン、ステップなど、見せ場見せ場で会場からたくさんの拍手や声援をもらっていました。残念ながら16日の公演では脚を高くサイドに持ち上げたスパイラルでぐらついたように見える瞬間があり、私も含めて会場から思わず「あぁっ!」という声がもれましたが、転倒もなく無事(補足1)。その後も動じることなく、全体としていい内容だったと思います。

オープニングとフィナーレの群舞は今回も練習時間は限られていたはずですが、振付もちゃんと入っているようでした。また、ただまじめにきっちり滑るというのではなく、こういうところでゆかりんは、キメます、はっちゃけます、ノリまくります。

オープニングのダンスは、ツアーの演出・振付を担当したスペインのアントニオ・ナハーロ(Antonio Najarro)。アニシナ&ペーゼラ組の振付師としても知られています。ダンスと歌の後にリンクの上に白の日傘とドレス姿でまずアニシナ&ペーゼラとドロビアツコ&ヴァナガスが現れ、彼らに続いて他の出演者が登場。

他のキャストとお揃いの白い衣装のゆかりんは笑顔で踊っています。リンクの上では男性キャストたちが荒川静香さんにアプローチをかけるような演技、続いてランビエール選手のソロで、マキシム・ロドリゲスがThe Show Must Go On。中野ファンにあるまじき遅さですが、実は私はここでようやくオープニング部分の演出がムーランルージュのストーリーをなぞっていることに気づきました。

フィナーレの衣装はキャストごとに微妙に違っていましたが、ゆかりんの衣装はオレンジのビキニっぽいセパレート、アスリートらしく鍛えられたウエストを見せつけつつ、ボトムはひらひらとした短いスカートでかわいらしく(補足2)。『ロクサーヌのタンゴ』にのった、椅子を使った男女ペアでの振付でしたが、中野選手のパートナーは本田武史さん。正直なところ、始まるまではこのメンバーで日本人出演者二人が組んでタンゴというのはちょっと辛くないか? という考えが一瞬よぎったのですが、要らぬ心配でした。ストーリーのほうも荒川サティーンとランビエールクリスチャンが抱き合ってハッピーなエンディングを迎えたようで、東サイドに向けてフレンチカンカンのようにラインダンスする振付もあり、中野選手の楽しそうな笑顔もばっちり見られました。

フィナーレ終了後の退場時、照明が落ちて暗くなったリンクの上に、蛍光塗料が入っていたのでしょう、中野選手の衣装だけふわっと浮かんで見えました。ショーの終わりの幸せな余韻を残すようなその色を見つめながら、中野友加里というスケーターの演技の幅の広さを思い、そしてこの選手にはまだまだ知られていない魅力があるな、と改めて感じました。

映画のキャストで言えば、今回のジャパンツアーは主演が荒川静香さん、相手役の人気若手二枚目がランビエール、それを脇で支えるベテランがペトレンコ、ピンポイントで登場しておいしいところは持っていく友情出演がコーエン……という感じなのですが、そのようなメンバーの中ではまだまだ中野選手はエンドロールに括弧つきで「中野友加里(新人)」と書かれる立場です。その中で自分にできる精一杯の頑張りを見せ、観客を楽しませ、そして選手自身も楽しむことのできた二日間だったのではないかと思います。

荒川静香さんの『アベマリア』は渡米前と後とでは見違えるように変わりました。16日の演技は氷の上を飛んでいるように見え、軽やかで神々しさすら感じました。ショー全体を引き締めるペトレンコの落ち着いた演技、アクロバットで盛り上げるボナリーやベゼディン&ポーリシュクのショーマンシップ、ベレズナヤ&シハルリドゼ、アニシナ&ペーゼラ、ドロビアツコ&ヴァナガスらのドラマ。本田武史さんは地元東北での公演ということもあって、気合十分の演技を見せてくれましたし、ランビエールは彼のスケールに対してリンクが狭すぎて『四季』のステップではちょっと気の毒な気がしましたが、Fix Youで見せる長ーーーいスピンといい、ショーを盛り上げるのに大活躍してくれたそのサービス精神に感謝したいです。

カルガリーでの世界選手権エキシビションで『アメージンググレース』を滑って以降、次々に飛び込んでくるアイスショーの予定をこなし、「魅せる」ための演技の経験を積んできた中野友加里選手は、一人一人がまさにスパークリング・ダイアモンドといっていい豪華な顔ぶれがそろった大舞台にあっても、きらきらと輝いて見えました。その輝きのまま、どうかけがのないように、競技スケーターとしての大舞台にも今シーズン再び立てるよう、頑張ってほしいと思います。

補足1:
後で選手にうかがったところ、「(氷にあいた)穴にはまってしまった」のだそうです。結構危なかったようですが、転倒せずに持ちこたえました。

補足2:
ここでは「オレンジ」と書いていますが、照明の関係でそういう色に見えたようで実際はピンクっぽい色だったようです。

関連:
MSN毎日「チャンピオンズ・オン・アイス2006仙台 フィギュアスケートCOI:トリノの金、銀、銅が日本で初共演」(写真あり)
Sports@niftyフィギュアスケート特集「チャンピオンズオンアイス2006ジャパンツアー仙台公演レポート(1)荒川静香、凱旋!
by smile_yukari | 2006-09-23 06:18 | イベント | Comments(12)
Commented by おやじ at 2006-09-16 18:09 x
COI仙台公演から先ほど戻りました。ゆかりんがインタビューで「もう、緊張してます。私なんかが出ていいのかな…と思っています」と言っておられるのが印象に残っていたのですが、本当に本当にすごかったです。世界トップスケーターたちの演技には言葉も出ず、2時間以上の公演時間があっという間でした。荒川静香さんも地元の仙台で2日連続で大入り満員、客席の反応も素晴らしく、さぞ嬉しかったでしょう。スケートの会場は寒いと聞いて準備して行ったのですが人が多いので半袖で心地よい程度でした。

ゆかりんの「GEISHA」を堪能いたしました。海外の選手と比べるとゆかりんは華奢ですよね。試合で海外選手と「戦う」プレッシャーはさぞやと思います。なお、ゆかりんの演技には「可愛い!」という声が飛び交っていましたよ。会場で花束を買えると聞いていたのでメッセージを書いたカードだけを準備したのですが花が売っていず、やむを得ず「プレゼント受付」の「YUKARI NAKANO」のボックスにカードだけを入れてきました。

ゆかりんのお導きでCOIを見ることができて本当に良かったです。管理人さんもお疲れ様でした!
Commented by haru at 2006-09-16 19:56 x
管理人さま、こんにちは。いつもblogを楽しく拝見させていただいています。15日夜の公演を観てきました。ゆかりさんの「GEISHA」本当に素敵でした。スピードも演技の美しさも、トリノのメダリストのコーエンやスルツカヤに見劣りがしないどころか、それ以上でした。優雅さのなかに情熱を感じさせる、とても魅力的なプログラムですね。今年がゆかりさんにとって、去年以上の飛躍の年になることを確信しました。グランプリシリーズがんばってくださいね。
Commented by TO at 2006-09-17 01:33 x
SAYURIは、I(or Y)字スパイラルのところ一番遠かったので良くわかりませんが向こうサイドの観客の反応(あっと言う)から失敗があったかも知れませんが、他は完璧でした。ラッキーなことに群舞は中野さんを極近く見れる西北の位置でしたのでじっと追っていましたが、他のトップスター並もしくはそれ以上でしたので安心しました。実際に見たのはFOI以来ですが、細く、更にスタイルが良くなられましたね。荒川さんのドルトムントからトリノへの変化を見ているようです。パンフレットの青嶋さんのコメント、そういう見方も有りかなと気づかせられました。このあたり、管理人様からの記事内容のご紹介、ご意見がいただきたいところです。
Commented by smile_yukari at 2006-09-19 06:56
おやじさん
私も念のため羽織るものを持っていってましたが、いらなかったですね。中野選手の出番で声援がたくさんあってよかったです。

haruさん
Memoirs of a Geisha、今シーズンは現在のところ、中野選手がショートプログラム、イタリアのコストナー選手がフリーで使うことになっています。NHK杯では日本とイタリアのタイプの異なる「芸者」が見られるかもしれません。近々行なわれるネーベルホルン杯(ドイツ;9月27日~10月1日)やカールシェーファーメモリアル(オーストリア;10月11日~14日)にコストナー選手は出場予定なので、サントラのどの曲を使った、どんな振付のプログラムなのか、注目しようと思っています。
http://www.eislauf-union.de/NebelhornTrophy2006.html
http://www.engelmann.co.at/ksm/2006/index.php
Commented by smile_yukari at 2006-09-19 07:25
TOさん
一瞬、バランスを崩したような感じでしたが、遠かったのと本当に一瞬だったので手が外れてぶれたのか、氷にエッジがひっかかってぶれたのかよくわからなかったです。でも目立ったミスはそれぐらいで、とてもよかったと思います。

青嶋さんの文章についてですが、TOさんがおっしゃる「そういう見方」というのがどこの部分を指しているのがわからないので、もう少し具体的に――そしてTOさんのご意見を――書いていただけるとありがたいです。
Commented by TO at 2006-09-19 11:32 x
管理人様
中途半端な書き込みで申し訳ありませんでした。
パンフレットの青嶋さんの文章でなるほどと思ったのは、「リンクの先輩、荒川静香の持つ多彩な技、村主章枝の持つ繊細な感情表現、両方を披露できる才能あふれるスケーターだ。」というところです。
多彩な技とは、世界一のドーナツスピン、180度開脚に近いI(or Y)字スパイラル、美しいイーグルとイナバウアー、流れの中でまとめられるジャンプ、成長途上ですが滑りそのものの美しさなどでしょうか。
繊細な感情表現は多少広義に解釈すれば、SAYURIで見せている凛とした表情から笑顔への変化及び強い目線等の表情そのもの、手先の使い方、ジャズからポピュラー、クラッシックまで多様な曲に合わせられる解釈力とリズム感をお持ちだというところでしょうか。
これらを統合して先輩のお二人とはまた一味違った独自のワールドを表現できる魅せるスケーターになってこられたなと、今回、至近の西3列北寄りの席から特に表情、滑りそのもの、群舞を見せていただき、感じ入りました。
Commented by アレックス at 2006-09-21 05:49 x
ゆかりん、COI&PIWお疲れ様でした!
仙台公演、素敵でした!かわいかったです!

『Memoirs of a Geisha』では冒頭で強い視線をなげかけるシーンから笑顔のスパイラルシークェンスへの部分は特に魅力的でした。だいぶ目力がついてきたように感じます。思いっきり目の前だったせいか、雰囲気が伝わりました。最近新しいスケート靴に変えた?影響からか、I字スパイラルの所で少しぐらついてしまったのが惜しいです。でもそれ以外では安定感のある演技で、ジャンプも完璧に決めていました。ステップシークェンスからラストのドーナツスピンへの繋ぎも洗練されていて進歩のあとが伺えました。ドーナツスピンも前後に流れがあってとてもよかったです。5月のPIWや7月のDOIから比べるとジャンプを飛ぶ時と飛んだ後の姿勢も良くなってきていると思います。メリハリのある素敵な演技で、競技会が楽しみになりました。フィナーレでの本田君との踊りも中々良い雰囲気でした。衣装はDOIのオープニングのオレンジ衣装?かと思いますが、健康的な色気が出ていて良かったです。EXにこの路線をちょっと期待してしまいます。(笑
Commented by アレックス at 2006-09-21 05:55 x
続きです。

実はCOI静岡にも行って来たのですが、会場全体の盛り上がりは静岡以上に盛り上がっていたと思います。特にしーちゃんがアンコールでトゥーランドットを披露してくれた時の会場内の雰囲気はすごいものがありました。見れて良かったです。感激しました。個人的に楽しみにしていたサーシャをはじめ、その他の出演者達の演技も“さすが!”と言える内容ですばらしかったです。特にペア・ダンスの演技は迫力もあり、見ごたえがありました。さすがCOI(チャンピオン達によるアイスショー)って感じでした。

ゆかりんがFOIに続いて仙台でもしーちゃんの凱旋公演で花を添えた事にうれしく思っています。そしてCOIに出演することで何かを得たのではないかと思います。この経験はきっとあとになって生きてくる事でしょう。この調子を維持してグランプリシリーズ、がんばってほしいですね。(^^


Commented by smile_yukari at 2006-09-23 07:16
TOさん
丁寧なフォローありがとうございました。

ご指摘の青嶋さんの文章ですが、個人的に中野選手は技術と表現力の両方を兼ね備えた器用な選手だと思っています。それを具体的に表わすために名前を出されたのが荒川さん、村主さん、ということなのだと思います(もっとも、その荒川さんもショースケーターとして観客にアピールする力が格段に成長していますし、村主さんも新採点システムで得点がとれるプログラムを目指して努力されているわけですが)。

中野選手についてもそれらの才能が現時点で完全に開花しているとは思っていませんし、青嶋さんも同じ考えでしょう。その意味で「見逃したくない、伸び盛りのきらめき」というキャッチコピーには強く同意しています。これから中野選手がどんな成長をとげるのか、ファンとしてとても楽しみですし、微力ではありますが、頑張るゆかりんを応援し続けていきたいと思います。
Commented by smile_yukari at 2006-09-23 07:30
アレックスさん
仙台はさすがに荒川さんの地元だけあって下は小学生から上は町内会のお友達と一緒に来たというお年寄りまで本当に盛り上がってましたね。スルツカヤとコーエンは来てくれただけでどうもありがとう、という気持ちで見ていました。

仙台行きはちょっとした遠征になるので、今回はフィギュアスケートを生で見るのは初めての家族を牛タンと温泉で釣って連れて行きましたが、「ものすごい贅沢なものを見た気がする」「それぞれの出演者が持ち味を出していて面白かった」という感想でした。ちなみに初めて中野選手の演技を生で見た感想は「頑張ってて他の出演者に負けてなかった」、「最後がばっちり決まってかっこよかった」とのことです。

ショーで培った目力、試合でもばしばし飛ばしてジャッジや観客をがっちりつかんでもらいたいです。
Commented by TO at 2006-09-23 16:14 x
管理人様
コメントありがとうございます。荒川さん、村主さんの名を出して読者にイメージさせやすくして心に入り込むところは、青嶋さんの文才ですね。「見逃したくない、伸び盛りのきらめき」のところも管理人様と同感で、どこまで魅せていただけるのかを楽しみに応援させていただきたいと思っております。

管理人様の大作も完成ということでご苦労様でした。同じ16日のショウを見させていただいたということで、思い出させられるところ、共感させられる視点が随所にあり、楽しく読ませていただきました。

>こういうところでゆかりんは、キメます、はっちゃけます、ノリまくります。
荒川さんは先日の朝日の米国COIの放送で「自分が楽しむのではなく観客を楽しませることが大事ということを教わった」と話されていましたが、自らが楽しんでやっていることが観客を魅了するというエンタテイナーの素質を中野さんは持っておられるのではないかと、今回のCOI及び最近の番組なんかも見て思っています。
Commented by 47 at 2006-09-24 22:32 x
管理人様、丁寧なレポートありがとうございます。
ここ最近の中野選手の演技は本当に日ごと良くなってると思うし、今回このようなショーに出られた事は、これから、特に今シーズンに向けて非常によかったような気がします。競技では得点が絡んでくるとはいえ、やはりフィギュアスケートは観客を魅了する競技だと思うんです。

みなさんのコメントを見ても、中野選手はとても調子が良いようです。今はかなりハードスケジュールかと思いますが、怪我にだけは気をつけて今シーズンを送ってもらいたいです。
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